水晶振動子を誘導性インピーダンスとして動作させる発振回路では、等価的に回路の負性抵抗と容量で与えられ右図のようになります。
ここで容量CLは、水晶振動子の両端から発振回路側をみた場合の実効容量で一般には負荷率と呼ばれ。- Rは回路側の負性抵抗を表します。このような発振回路では、水晶振動子は下図のように
誘導性リアクタンスXeと抵抗Reの直列回路の形で動作し、その発振周波数は、
Xe = 1 / 2πfeCL
を満足する周波数になります。

また、回路が発振するための条件は、|Re|< |R|となります。ここでReは、水晶振動子と容量CLとの直列回路の直列共振抵抗(等価直列抵抗という)です。水晶振動子の低い励振レベルでの等価抵抗の増大等を考慮してより確実に発振させるためには、回路の負性抵抗(- R)をReに対して充分大きくとってください。
このように発振周波数は、発振回路の構成のいかんにかかわらず、水晶振動子の電気的等価定数と発振回路側の負荷容量によって決定されますので(動作温度、励振レベルは別に規定する必要があります)水晶振動子の製造または使用に際しては、発振回路の負荷容量を明確に規定しておく必要があります。水晶振動子に直列に負荷容量CLを付加した場合の等価回路は右図のようになり、この時の各定数は以下のようになります。
L1' = L1( 1 + C0 / CL )
2 R1'= R1( 1 + C0 / CL)
2
C1' = C0CL
2 / ( C0 + C1 + CL )( C0 + CL ) C0' = C0CL / C0 + CL
更に、この時の発振周波数は、Δf だけ高くなり、直列共振の場合の周波数 F0 とその差をΔf とすると次の式のようになります。
Δf / f0 = C1 / 2( C0 + CL )
この式を整理すると次式のようになります。
Δf / f = 1 / 2C0 / C1( 1 + CL / C0 )
ここで C0 / C1 を容量比とよびます。この値は負荷容量の変化による発振周波数の変化量の大小を知る目安値となります。下図は、基本波ATカット振動子と3次オーバートーン振動子の負荷容量対周波数変化率特性を示したものです。
図からも解るように負荷容量の変化によって広い周波数の可変量を得るには基本波振動子を使用し、負荷容量を小さく選ぶ必要があります。